レイチェル・カーソン氏のセンス・オブ・ワンダーという本をご存知ですか?
夫が知人の紹介で読み始め、読み終えた夫から「親にとってとても大切なことが書かれているから、読んでみて」とすすめられた一冊です。
穏やかで、みずみずしく、優しく包み込むような言葉で紡がれたレイチェル氏の想い。
お勉強だけができる頭でっかちな子どもではなく、たとえ行きづらい世の中であっても、まわりの色々なものに興味を持ち、感動し、生き生きと成長していく人になるために欠かせない何かを手渡してくれました。
今日は、大人になると忘れてしまいがちな「センス・オブ・ワンダー」について、わたしが心に残った一節を交えながらご紹介します。
この本がおすすめな理由は?
なぜわたしが「センス・オブ・ワンダー」をパパやママたちにおすすめしたいのか。
それは、「センス・オブ・ワンダー」こそが、子どもの「人間力」をはぐくむ土台になると感じたからです。
こんな一節があります。
わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。
センス・オブ・ワンダーより引用
これは、頭でっかちにならず、心で感じられるように、ということ。
わたしも、たくさんの物事を知っている頭があることより、目に見えないことを感じたり、想いを馳せたりできる心を持っているほうが、まいにちが豊かになると信じています。
美しいものを美しいと感じ、感激したり驚いたりする。
誰かを、何かを思いやり、喜びや悲しみを分かち合ったりする。
そういう感性は、ロボットやほかの動物にはない「人間らしさ」そのもの。
これからの時代、その「人間らしさ」が、掛け替えのないものであることは、火を見るよりも明らかですよね。
なるべく早いうちから、人間らしい感性である「センス・オブ・ワンダー」を、親子ではぐくんでいけるように、子育て中のママ・パパには心からおすすめしたいと思ったのです。
大人にとっても大切な感性
この一節を読んで、わたしははっと息を呑みました。
子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
センス・オブ・ワンダーより引用
そうだ、わたしたち大人は、「センス・オブ・ワンダー」をどこかに置き忘れてきたのかもしれないと。
自然に目を向ける余裕なんてない・・・少し前のわたしだったら、日々の子育てに追われて必死だったので、そう思ったかもしれません。
でも、子育ても6年目、3人目ともなると、すこし余裕がうまれるもの。
いまは、子どもと一緒に自然に触れ、小さな発見に感動し喜びを分かちあうことは、自分自身の感性を磨くことにもつながると思っています。
できることなら、余裕がないと嘆いていたあの頃に戻って、「自然に目を向けることで余裕を取り戻して」と、自分に声をかけてあげたいです。
旅先などで、森や海などの自然のなかに身を置くと、心が解放され、癒やされ、生きるちからが湧いてきた経験はありませんか?
じつは、先日のゴールデンウィークで那須へ出かけたときに、木々のトンネルをくぐりながらそう感じたばかりでした。
木々がさわさわとこすれ合う音に心が潤い、突然降ってきた雨すらも、肌を撫でるひんやりとした風と共に記憶に刻まれています。
那須から帰ったあとで「センス・オブ・ワンダー」を読んだのですが、あの不思議な感覚はこのことだったのか、と腑に落ちました。
でも、美しいものや自然は、身近なところにもたくさん息づいています。鳥のさえずりも、雲がゆったり流れていく姿も、雨粒がそらから落ちてくることも。
夫も、この本を読んでから、普段通る通勤経路から川のせせらぎが聴こえてくることや、ごはんが炊ける香りすら気づかずにいたことを話してくれました。
本を読んだおかげで、感度が上がったんですね。
やらなければいけないことが多くて、あっという間に過ぎてしまう毎日だけど、時々歩を緩めて、心を解放してみる。
そうすることで気づけたり、癒やされたり、感動したりして、頑張る力が湧いてくる。
自然と触れ合うことが大切であることはなんとなくわかっていたけれど、その「なんとなく」がすっと晴れていく、そんな本でした。
子育てにおいても、わたしが人として生きていく上でも、取り戻していきたい、磨いていきたい感性であると強く感じました。
本文には、美しい自然を切り取った写真も掲載されていて、目で見て心が潤う一冊でもあります。
感性を育てるかんたんな方法
話を子育てに戻します。
どうやって子どもの感性(センス・オブ・ワンダー)を育てるのか?わが家なりにできそうなことをさっそく始めてみました。
まず、虫眼鏡を買いました。これは本にも紹介されている方法です。
ふつうは目には見えないけれど、確かに存在する小さな世界。
長女と二女の分でふたつ。一人300円もしないで買える、小さな世界への入場チケットです。
わが家では、5歳と2歳の子どもでも扱いやすいように、首から下げられるお手頃な虫眼鏡を買いました。紐がついていれば、フックにかけるだけなので収納もカンタンです。
子どもと一緒に庭を探検するうちに物足りなくなった夫は、そのあと倍率の大きいもっと立派な虫眼鏡を買っていました(笑)
わたしは正直にいうと虫が苦手なので・・・ここは夫と分担しようと思います。
子どもはというと、初めて手にした虫眼鏡を首から下げて、葉っぱや家の壁、自分の手足の皮膚なんかもじっと覗き込んでいました。
子どもがワクワクしている姿をみるのは、こちらもワクワクさせてもらえて楽しい!
少し気が早いかもしれませんが、いまのこの取り組みが、将来どんなふうに実を結ぶのか楽しみで仕方ありません。
そして、雨の日にあえて出かけてみるのもいいかなと思い改めました。
雨の日や太陽が沈んだあとにしかない世界もある。長靴を履いてかっぱを着て、あえて雨の日に出かけてみるのも楽しいかもしれない。
すこしだけ夜ふかしして、星空を眺めてみるのもいいかもしれない。
夜は21時に寝るべき、とか、暗くなったら家に帰るべき、といった「◯◯すべき」にとらわれず、そんなふうに、柔軟に物事を捉えてみるのも、豊かな感性を磨くヒントかもしれません。
例えばキャンプは、「センス・オブ・ワンダー」を磨く最高の機会なんだろうなぁと思うのですが、いきなり本格的なアウトドアに挑戦するのはハードルが高いので・・・
今流行のグランピングに挑戦するものいいなぁと考えているところです。
この本と出会って、「センス・オブ・ワンダー」という感性の存在に気づけたことが、なによりよかったです。
濡れるから、汚れるから、と子どもから取り上げてしまっていた何気ない機会。
これからは、子どもにとってはチャンスかも知れないそんな機会を、寛大に許してあげられる家庭を築いていきたいと思いました。
(もちろん、忙しい平日や余裕のないときは難しいけれど、この本のおかげで、これくらいまあいっか、と受け止めてあげられる、余白ができたような気がするんです)
まとめ
今日は、「子どもの感性を育てるために親がするべきこと」として、1冊の本を紹介しながらわが家の取り組みやわたしの考えを紹介しました。
公園に出かけて、いつもやりきれない気持ちになるのが、スマホを凝視しながらブランコを押す大人がいること。
子どもは無邪気に大空に足を投げ出し、風をきる瞬間を楽しんでします。
せめて、公園に来ているときくらいは、スマホから離れて子どもに目を向け、子どもの「いま」を感じてほしいと願います。
地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力をたもちつづけることができるでしょう。
センス・オブ・ワンダーより引用
「センス・オブ・ワンダー」は、大人になっても・・・人生が幕を下ろす瞬間までも、人間らしさを支えてくれると書かれています。
都会の喧騒に疲れたときに。子育てに悩み迷っているときに。
「センス・オブ・ワンダー」は、小さな幸せに気づかせてくれる感性でもある。そんな小さなしあわせの世界とつながるように。
わたしも、わたしたち家族も、「センス・オブ・ワンダー」を、子どもと一緒に楽しみ、人間らしい豊かな感性を育てていきます。
本は、読むのが遅いわたしでも、1時間ほどで読み終えることができました!
ぜひ、あなたにとって大切な「何か」を取り戻してくださいね。
才能を刺激するミッフィーの絵本は、こちらの記事で紹介しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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